日本を学ぶ大人の学校「和塾」
2012-09-27T14:06:48+09:00
wajuku-sewanin
特定非営利活動法人和塾
Excite Blog
新しいHPへ移行のお知らせ
http://wajuku.exblog.jp/15256598/
2012-08-10T16:12:00+09:00
2011-08-10T16:18:42+09:00
2011-08-10T16:12:51+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
▶ こちらより。
恐れ入りますが、お気に入りやリンク設定等の変更をお願いいたします。
また、これまで以上のご贔屓をどうぞよろしくお願いいたします。]]>
和塾 日本のこと、知ってますか?
http://wajuku.exblog.jp/1308666/
2011-12-31T23:59:00+09:00
2010-12-17T11:53:24+09:00
2005-10-07T01:01:05+09:00
wajuku-sewanin
設立趣意
あなたは誰かに何かを語れますか。
身近にある「日本」と、私たちはとても縁遠く生きてきたんじゃないか。
そんなことが少し気になりはじめる年齢になって、
『銀座 和塾』を始めることにしました。
肩肘張らずにゆっくりと、けれど真摯に真っ当に、「日本」を学びたい。
国粋的な思考ではなく、真の地域性にこそ国際性があるのだという志で。
今こそ必要な、知性と遊び心と大人の嗜みを、しっかりと会得する日を思いながら・・・。
平成十六年三月
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本物の日本の文化・芸術に触れ・学ぶための集まり『和塾』。
一流の講師を招いてのお稽古を核として集い、日本の芸能・美術の鑑賞会なども随時実施します。
毎月一回の『お稽古』は、「歌舞伎」「浄瑠璃」「水墨画」「三味線」といった様々な日本の文化・芸術を、まずはその基本に絞って二時間ほどで学びます。定例の会合ですから、原則的には会員総員の出席を目指したいところ。
日本の芸能・美術の鑑賞会は、演目・演題に応じて実施日が異なります。基本的には週末の半日ほどを想定。家族や友人などの同伴も歓迎しつつ自由参加で開催します。参加の有無を確認した上で切符の手配をいたします。
和塾ではこれ以外にも、浴衣を新調して祭りに集ったり、窯元を訪ねて焼き物をつくったり、踊りを鑑賞しながら和食を楽しんだり・・・、会員各位の発案で様々な催事を行ってゆく予定です。
活動の拠点はひとまず「銀座くのや」内に置き、「和」を身にするための広く様々な楽しみを少しずつ積み重ねて行きたいと思います。十年二十年のお付き合いを視野に入れながら、平成十六年四月、発足とする所存であります。
よろしくお願いいたします。
和塾 世話人一同
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和塾
基本活動:月一回(定例)の一流講師による和のお稽古会
:定例のお稽古の他に様々な日本の文化に関する活動を実施します
入塾資格:日本の文化に興味関心があり本法人の趣旨に賛同する人
新規加入:新たに入塾する者は既存会員の推薦が必要です
入塾費 :三万円
月会費 :一口一万五千円〜【半期分をお願いしております】
(会費の内、お稽古実費外の余剰金は日本文化活性化の浄財とします)
※入塾時に、入塾費+月会費×半期分=120000円〜のご送金をお願いしています。
月例の鑑賞会やその他の催事の費用は別途実費を徴収します
事務局所在地:中央区銀座六丁目
※入塾資格、開催場所などを変更した新たなクラスを準備しております。お問い合せは本ブログのコメント欄、もしくは、tnk@wajuku.jpまで、ご返信先等明記の上、お寄せください。
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漆芸蒔絵人間国宝 室瀬和美による『芸術の宝船』のお知らせ。
http://wajuku.exblog.jp/15115160/
2011-07-14T18:14:00+09:00
2011-07-19T17:38:43+09:00
2011-07-14T18:14:25+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【講師】
『芸術の宝船ー室瀬蒔絵がつなぐ西と東』
人形浄瑠璃三味線の人間国宝 鶴澤清治氏、ハープ奏者の吉野直子氏、太夫の豊竹呂勢大夫氏をお招きした、浄瑠璃とハープ、蒔絵の共演です。
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「芸術の宝船ー室瀬蒔絵がつなぐ西と東」
日時:平成23年9月23日金曜祝日
第一部 12時30分 開演
第二部 16時 開演
会場:日本橋三越劇場
出演:室瀬和美(漆芸蒔絵・人間国宝)
檀ふみ(女優)
鶴澤清治(人形浄瑠璃文楽三味線・人間国宝)
豊竹呂勢大夫(人形浄瑠璃文楽太夫)
清元志寿朗(清元)
吉野直子(ハープ奏者)
参加費:8,000円 (指定席・税込)
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チケットご入用の際は、entry@wajuku.jp、もしくは0120-22-4474(平日11時〜17時)へ、お問合せください。]]>
書道—筆を持つ大人になる日− 矢萩春恵先生 第八十七回和塾お稽古
http://wajuku.exblog.jp/15046069/
2011-07-01T17:06:00+09:00
2011-07-01T18:50:10+09:00
2011-07-01T18:04:58+09:00
wajuku-sewanin
お稽古
場所:国際文化会館
Text by nn
本格的な夏に向かって、一段と暑くなってきた今日この頃。和塾では、心落ち着かせ、静かに書のお稽古を行いました。
場所は、国際文化会館。近代日本庭園の先駆者と言われる「植治(うえじ)」こと7代目小川治兵衛作の緑豊かな日本庭園に囲まれた中、お招きしたのは女流書道家の矢萩春恵先生。港区の名勝にも選ばれた庭園は、都心で癒される貴重な空間。先生にはお歩きいただき、ご覧頂いた後、書のお稽古をつけていただきました。
矢萩春恵先生
2008年に文化庁長官賞も受賞された先生は、かつて、香港、フランス、アメリカ、インドなどで個展を開催し、ハーバード大学の客員教授として3年間アメリカの学生に書道を教えていらっしゃったこともあり、教え子には、和塾でも大変お世話になっている漆芸蒔絵の人間国宝 室瀬和美先生もいらっしゃいます。婦人画報の表紙も務められたこともある先生、室瀬先生がおっしゃるには、人数が少なかった大学の書道サークルに、矢萩先生目当ての男子生徒が沢山詰めかけたそうです。
今回のお稽古では、お手本として、参加した塾生の名前を「楷書」「行書」「草書」にてお書き頂き、それを練習。後半は、漢字の成り立ちを伺った後、書で創作のデモンストレーションが行われました。まずは、とっかかりとして、自分の名前を素敵に書けるようになること。ちゃんとした大人のたしなみです。
黙々と練習する塾生
矢萩先生は、近い距離で手を取って教えてくれます。男子大学生が集まる訳です。
参加者全員、集中。張りつめた雰囲気。
さすがに皆さん、お上手です。
太さ、角度、濃淡、かすれ具合、全体の形などなど、意識するところがとても多い。
頭も神経も使います。
先生の「永字八法」。この字に書の「線」の全てが含まれています。
一通り練習し、漢字の基礎をお伺いした後は、いよいよ先生のデモンストレーション!!
「よっ」「いよっ」と声を出しながら、書いていきます。
今回は、塾生の好きな漢字をリクエスト。
その1「絆」
字の成り立ち、歴史、今までの作例、言葉のイメージなどから、
再構成して書いていきます。
お子様の名前をお願いする塾生が多く。皆さん子煩悩です。
最後は、矢萩先生のお好きな言葉 「楽」
ちなみに先生の好きな言葉のもう一つは、「男」とのこと。
一度しかない人生、楽しく生きましょうとのお言葉。おっしゃる通りでございますね。
毎日楽しく過ごしていらっしゃるから、先生はいつまでたってもお綺麗なのでしょう。
一日一日と、何か一つでも楽しいことを積み重ねていきたいです。
久方ぶりの書道、身が引き締まり、気持ちのよいお稽古となりました。
ちなみに、先生にお書き頂いた書10数点(海、花、修、母、伸など)は、先生から塾生にプレゼント。家宝にさせていただきます!
お稽古後のお食事会にもおつきあい頂き、塾生皆、楽しいひとときを過ごすことができました。盛り沢山なお稽古ありがとうございます。またどうぞ宜しくお願いいたします。
矢萩春恵先生HP「書、そして、ー矢萩春恵」
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近松門左衛門入門ー鳥越文蔵先生 【第二十三回混合クラス】
http://wajuku.exblog.jp/14936183/
2011-06-11T19:07:00+09:00
2011-06-16T22:58:02+09:00
2011-06-11T19:07:42+09:00
wajuku-sewanin
お稽古
場所:グランドプリンスホテル新高輪 秀明
Text by nn
今回のお稽古では、早稲田大学名誉教授であり、人間国宝の選定委員でもある鳥越文蔵先生にお越し頂き、先生曰く日本における劇作家第一号である「近松門左衛門」について、特別講義をしていただきました。
鳥越文蔵先生
人間国宝を選ぶ人って、ちょっとすごいですよね。日本の価値基準をつくっている方とも言える訳です。そんな先生と一緒に、国立劇場の楽屋に入るとすれ違う全員が先生に対して最敬礼。自分もなぜだかエラくなった気分に浸ることができます。演劇界最高峰に君臨される鳥越先生。今回のお稽古では、5月文楽を一緒に観劇し、その延長での講義となりました。贅沢です。以下、貴重な講義のご報告です。
「日本は芸能が豊かな国である。」とは、鳥越先生の師匠である河竹繁敏先生のお言葉。では、なぜ日本は芸能が豊かなのか。それは、逆に日本が豊かな国ではなかったからだとおっしゃいます。季節や気候変動が大きい国である日本では、生活は自然のバイオリズムの中にあり、毎年を生きていくために、豊穣を願う神様へのお祈りが盛んでした。雨乞いの踊りは、いまでも全国各地でお祭りとして残っています。それが日本における芸能のもと。庶民が体を一生懸命動かして踊り、謡い、神様へお願いする。そのころは娯楽ではなく、生きるための術であり、自分たちが楽しむことが主題ではなく、神様に対してみてもらうためのものでした。それが技術と経済の発展とともに、神頼みと切り離され、純粋に人が楽しむものへと変化していきます。
さて、日本最初の劇作家は、近松門左衛門と先生は言います。豊穣を願う踊りにも、作者はいたはずです。もしかするとその無名の作者の中に、日本の劇作家第一号はいたかもしれません。しかし、その記録は残っていません。ちなみに、観阿弥・世阿弥も、有名な演目を多数つくっておりますが、彼らは自分が演じるために創作しています。近松は他人が演じるために劇をつくり、それが劇作家第一号と先生が認定する理由でもあります。
近松門左衛門は、1653年生まれ。「元禄の三代文豪」と呼ばれる芭蕉、西鶴、近松ですが、芭蕉と西鶴は、それぞれ1694年と93年に没しています。近松が世に知れはじめたのは、実はその頃から。芭蕉が没したまさにその年に、浄瑠璃の作家であった近松は坂田藤十郎の歌舞伎作品もつくるようになります。その間およそ10年余り。そこで歌舞伎の演出、現代の事件を取り扱うという世話物の手法を学び、その経験を踏まえ、1704年51歳のときに作成された浄瑠璃が、当時実際にあった心中事件を題材にした『曾根崎心中』です。これが空前の大ヒット。近松門左衛門の名は、芸能の枠を越え、一般に知れ渡ることとなります。以降、浄瑠璃は全盛期を迎え、近松は「元禄の三代文豪」に名を連ねることになるのです。
近松がすばらしい作品を作り上げることができたのは、喜ばれない出生を持つためだとの説もありますが、武家に生まれながら、少年時代に京都に移り、公家奉公をしていたと言われます。本名は、杉森信盛。その名が歴史上に初めに現れるのは、1671年の山岡元隣編『宝蔵』という俳書の中。杉森一族の句が多く入集しているところに、信盛の名で「しら雲や 花なき山の 恥かくし」という句がみられます。劇作家として有名な近松の最初の作品は、なんと俳句。しかもなんとも可愛らしい句でした。それが19歳の時。この句、後年の浄瑠璃に見られる近松のたぐいまれなるセンスを感じる句と思われていました。しかし、『宝蔵』の15年前に刊行された『夢見草』という俳書において頼広という人が「つむ雪や 花なき山の 恥かくし」という句を詠んでいたことが発見され、先の信盛の句は大胆不敵な盗作として、いやぎりぎり本歌どりの手法を用いた作品として知られることとなります。元禄の三代文豪ともなると、はっきりと評価するのが難しいのか、俳句の才能はわからないが、盗作いや換骨奪胎の才が認められるというようなちょっと苦しい評価までみられます。ただし、公家奉公の中で俳句を始め狂言や絵などの教養を得る環境に育っていたことは確かで、その頃からセンスが磨かれていたと思われます。
その後10年ほどの間、信盛は歴史に顔をあらわしません。信盛は、何をしていたのか。京阪を中心とした上方都市では、人形浄瑠璃が盛り上がりを見せてきたのが、ちょうどその頃といわれています。信盛も世の興味惹かれたのか浄瑠璃と出会い、浄瑠璃作家の道を歩みはじめていました。そのきっかけとして知られているのが、宇治加賀掾という浄瑠璃太夫。加賀掾は、掾号を得るほどの名人で、文才も豊か。よっぽど惚れ込んだのか信盛は、加賀掾のもとへ入門し、近松門左衛門という名で浄瑠璃を習作しはじめます。近松門左衛門の誕生です。ちなみに、浄瑠璃における掾号を戦後で下賜された人は2名だけ。時代背景の違いもあり、単純に比較はできませんが、加賀掾はかなりの名人だったと思われます。
修行をつんだ近松の作品は、師匠である加賀掾の一座で演じられはじめます。ただそのときはまだ世間に名を知られていません。浄瑠璃は太夫中心の世界、基本的に作家の名前は明記されない時代でした。その頃のもので、近松の作かもしれないが確証はないというものが20程あり、存偽作と呼ばれ、いまだに是非が審議されています。いつか新たな近松作品があらわれるのでしょうか。楽しみです。
その加賀掾の一座にいた竹屋庄兵衛という興行師が、加賀掾と喧嘩別れし、新たに大阪道頓堀に立ち上げたのが竹本座。その旗揚げとして1684年、演じられることになったのが近松門左衛門の『世継曽我』でした。同じく加賀掾一座から抜け、竹本座の太夫となっていた竹本義太夫によって語られ、公演は大成功。加賀掾は、抜けられた怒りもあり、公演を邪魔するため隣で井原西鶴作の『暦』を公演します。そこで竹本座は近松門左衛門を大々的に取り上げ、加賀掾一座と客を取り合うこととなります。お互いに西鶴の新作と近松の作品をぶつけ合いデッドヒートの様相を呈していた、そんな折り、加賀掾一座は原因不明の火災により、撤退。竹本座は大阪に確固たる地盤を築くことになります。その竹本座の公演から、近松門左衛門の名前は世にでることとなります。
しかし、まだまだ浄瑠璃の隆盛にはいたらず、竹本座は大きな借金を積み重る状況。そんな中、近松は京へでていき、歌舞伎の作品も手がけるようになります。歌舞伎狂言作者であった金子吉左衛門という人に教わりながら歌舞伎の手法を学び、初代坂田藤十郎を懇意とし彼のために、作品を書きつづけました。その間10年。お客さんの反応によって随時、台詞や演出を変えていくような世界、近松の腕はどんどん磨かれていきます。そのような生活をしていた中、大阪へ旅した近松に、かつて一緒に働いた道頓堀の竹本義太夫より声がかかります。それは、当時の話題となっていた心中事件を題材にした浄瑠璃執筆してほしいとの依頼。歌舞伎の手法を学んでいた近松には手慣れたもの。そうして出来上がった作品が『曾根崎心中』でした。流行のニュースということもあり、社会現象になる程の大ヒット。竹本座は『曾根崎心中』のおかげで莫大な借金を返済したと言われる程になります。
その『曾根崎心中』のおかげで、巷では真似して心中するという事件が多発、数回で禁止され、それ以降上演はされなくなりました。その後、心中ものの上演は幕府によって禁止されてしまいます。今でも上演されている『曾根崎心中』、今年も8月に杉本文楽で上演されますが、復活したのは昭和28年になってから。宇野信夫が脚色し復活しました。ちなみに、「心中」=死ぬ、ではないのはご存知でしたでしょうか。軽いほうから、髪をきる→爪をはがす→指をきる→ももを突く→死ぬとなっていたとのこと。いつの時代も色恋沙汰のしがらみを終わらせるのは大変ですね。鳥越先生が好きな台詞は、心中に行く道行の文章。
「この世の名残、夜も名残、死にに行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、一足づつに消えて行く、夢の夢こそあはれなれ。あれ数ふれば暁の、七つの時が六つ鳴りて、残る一つが今生の、鐘の響きの聞き納め、寂滅為楽と響くなりー」
なんとも五感に響く劇的な表現です。七五調のリズムも気持ちがよく、荻生徂徠にも「妙処此中にあり、外は是にて推しはかるべし」と絶賛されているこの台詞、正岡子規には酷評されています。お互いの解釈を通してみてると『曾根崎心中』の本質がみえてきます。ご興味のある方は、小林恭二著『心中への招待状 華麗なる恋愛死の世界』を読んでみてください。
以後、近松は、竹本義太夫とタッグを組み、浄瑠璃執筆へ戻ります。義太夫が没した後は、竹本座のまとめ役として浄瑠璃を盛り上げる役割を担うこととなります。近松の晩年は、竹本座を取りまとめながら、執筆を続け、また後継者の育成に心がけ、72歳で大往生。近松が育てた作家たちが育ち、人形浄瑠璃の全盛期を迎えることになります。
辞世の句 「残れとは 思ふも愚か 埋み火の 消ぬ間徒なる 朽木書きして」
まだまだ「近松門左衛門」の入口に足のさらにつま先を踏み入れたばかりですが、お稽古はお開き。大酒飲みの鳥越先生と塾生で、居酒屋へ。美味しいお酒をのみかわしました。鳥越先生、また美味しいお酒を飲みましょう。有り難うございました。次回は、近松の作品を紐解きながら、より深いお話も伺いたいと思っております。尚、先生の好きな作品は、『女殺油地獄』とのこと。次回の公演の際もご一緒願いたいと思っております。
虚実の慰み 近松門左衛門 (日本の作家28) (日本の作家)鳥越 文蔵 / 新典社
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京都瓢亭十四代主人・高橋英一さんによる講話と会食の会のご案内です。
http://wajuku.exblog.jp/14905787/
2011-06-06T11:15:44+09:00
2011-06-06T11:15:42+09:00
2011-06-06T11:15:42+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
今回は、震災による日程変更のための追加募集になります。今月の25日と26日。祇園祭を間近に華やぐ季節を迎えた京都でのちょっと贅沢なひとときです。残席僅か。お早めにご連絡ください。
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和樂文化塾 瓢亭主人 高橋英一「料亭の食ともてなし」
日時:平成二十三年六月二五日(土)/ 二六日(日)各日とも十一時〜十四時
場所:京都 南禅寺畔 瓢亭
講師:瓢亭十四代当主 高橋英一
参加費:45,000円(瓢亭での実食付)
★受講希望の方は、以下まで事前にご連絡ください。
→フリーダイヤル:0120-22-4474(平日11:00〜17:00)
→メール:entry@warakujuku.jp
→FAX:03-3549-0108
※メール、FAXの場合は、お名前とご住所、電話番号、年齢、ご職業をご明記ください。
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季節ごとの美しい器、食材、盛りつけ。「イメージして準備した料理が器に気持ちよく納まり、全部が一体となって華やいでくると嬉しくて、ああこれが料理をする醍醐味やなと感じます」と高橋氏は言います。
約400年にもわたり、京の四季の移ろいを感じながら様々な工夫を積み重ねてきた日本屈指の料亭「瓢亭」。その料理の思想を学ぶことは、そのままその背後にある日本料理が持つ楽しさと奥深さ、おもてなしの心を知ることに繋がる。400年も生きている人はいません。ただ、その間に積み重なったエッセンスを学ぶことはできます。レシピの、その奥にある和文化の真髄に触れてみませんか。今回は、そんな贅沢な講座です。
高橋英一(たかはしえいいち)
南禅寺・瓢亭十四代当主
1939年京都生まれ。
同志社大学卒業。
1964年瓢亭勤務。
1967年瓢亭 十四代を継承。
1992年京都府優秀技能者表彰受賞。
2006年京都府文化賞功労賞受賞
。
2007年厚生労働大臣卓越技能者表彰受賞。
2009年第六回裏千家茶道文化振興賞受賞。
2010年ミシュランガイド京都・大阪2010にて三ツ星を獲得。
京都料理組合組合長、日本料理アカデミー会長。
主な著書
「懐石入門」(柴田書店)
「瓢亭−四季の料理と器」(柴田書店)
「京都・瓢亭−懐石の器とこころ」(世界文化社)
「瓢亭の点心入門」(淡交社)
「旬の器−もてなしの美学」(淡交社)
関連HP
京都南禅寺畔-瓢亭
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義援金に関してのご報告
http://wajuku.exblog.jp/14873529/
2011-05-31T18:14:41+09:00
2011-05-31T18:14:40+09:00
2011-05-31T18:14:40+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
今回の義援金は、東日本大震災によって被災した文化財の保全のため、被災地域の文化財の救援と修理・保存に活用されることとなります。
ご提案、ご協力頂きました室瀬和美先生を始めとした目白漆芸文化財研究所の皆様、ご出席いただきました参加者の皆様、誠に有り難うございました。
被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興と笑顔が戻りますよう祈っております。]]>
書道家 紫舟「書で言葉をつづる」【新講座のお知らせ】
http://wajuku.exblog.jp/14684512/
2011-05-25T18:21:00+09:00
2011-05-26T20:21:59+09:00
2011-04-28T18:31:50+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
直接手ほどき頂けてしまうという贅沢なお稽古シリーズ。
「和文化各界での最高峰を師として招く」それが和樂文化塾。
小学館の雑誌『和樂』と和塾、共催の新講座です。
今回のご紹介は、
書道家 紫舟による「書で言葉をつづる」
紫舟さんと聞くと、大河ドラマ『龍馬伝』の題字が頭に浮かぶ方がおおいかもしれません。激動の時代を駆け回った龍馬の力強いイメージと福山雅治のもつ繊細で洗練された空気感を感じさせる素晴らしい作品です。
紫舟先生の書のスタイルは、「情報」としての文字に、表情や感情をつけ、「意思」を吹き込む」というもの。
今回の講座では、「あたたかなぬくもり」や「切ない感情」など、いろいろな気持ちを書で表現することを学びながら、最後には大切な人への感謝の言葉を書き上げるということを学びます。
「誰かを想いながら時間を費やし、自分の手で言葉をつづる」
そんな機会も、今やなかなか少なくなりました。
世界でひとつしかないあなたの書体で大切な人に感謝の気持ちを届けるのもいいのではないでしょうか。
自分の気持ちにじっくりと向き合う。そして、その想いを書という手段でどのように表現するのか。自分の内側からでてくるもの、それに筆を委ねてみる。書と言葉のもつ奥の深い世界に足を踏みいれていくお講座です。
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和樂文化塾 書道家 紫舟「書で言葉をつづる」
日時:平成二十三年六月四日(土) 十四時〜十七時
場所:uraku青山
講師:書道家 紫舟
参加費:25,000円
★受講希望の方は、以下まで事前にご連絡ください。
→フリーダイヤル:0120-22-4474(平日11:00〜17:00)
→メール:entry@warakujuku.jp
→FAX:03-3549-0108
※メール、FAXの場合は、お名前とご住所、電話番号、年齢、ご職業をご明記ください。
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※ご応募の締切は5月26日(木)
※参加希望者多数の場合、抽選となります。当選は通知の発送をもって代えさせていただきます。
紫舟(ししゅう)写真T.Kurimoto
書道家
六歳より書をはじめる。
書の本場奈良で三年間研鑽を積んだのち東京へ。
書を用い、文字をイメージ表現・表情・感情をつけ情報としての文字に意思を吹き込む。
そして日本の伝統的な書を、世界に通用する「意思を表現する」手段として
ハリウッド映画の題字をめざす
2004年 第32回AU芸術国際ベネチアビエンナーレ選抜展ディ・マウロ賞受賞
2005年 国際芸術祭「ベネチアビエンナーレ企画展」展示パフォーマンス
2007年 第35回AU現代芸術国際展 世界四大アーティスト嶋本昭三賞受賞
2007年 文化庁「日本アラブ国際会議」書家代表として招待公演
2009年 外務省「日本文化紹介派遣事業」アルゼンチン・ウルグアイ・チリ
2009年 パリコレクション(ルーブル美術館)AGURI SAGIMORI 作品展示
2010年 第5回手島右卿賞受賞
作品集
「龍馬のことば」(朝日新聞出版)
「いい名」(子どもの未来社)
主な作品の提供先
NHK:「龍馬伝」「美の壺」「沸騰都市」題字、「Jリーグ」書画、国際「China Wow!」
朝日新聞 :「いい名」(2年半連載)、「一語一会」(連載中)
読売新聞 :「言葉のアルバム」(1年連載)
外務省:「APEC Japan2010」
経済産業省:「Cool JAPAN」
ハリウッド映画 :エアベンダー「氣・水・土・火」
マックスファクター:SK−Ⅱ「力」(世界13カ国以上採用)
SUZUKI:アルト「空」
白鶴酒造:「初・慶・舞」他
浜崎あゆみ : ミュージックフィルム「月に沈む」題字
早乙女太一 : アーティスト名「早乙女太一」
チリ国立現代美術館
M・ナイト・シャマラン監督
ウィリアムP・ローダー会長(Estée Lauder Companies Inc. )
アカルイミライ―何も起こらない平穏な日々は幸せすぎて平和すぎて気づかないことが多いけれど、やっぱり素晴らしい。紫舟 / 芸術生活社
龍馬のことば紫舟 / 朝日新聞出版
いい名「いい名」取材チーム / 子どもの未来社
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和樂文化塾のお知らせ
http://wajuku.exblog.jp/13960240/
2011-04-22T16:07:00+09:00
2012-09-27T14:06:48+09:00
2011-01-10T18:15:27+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
直接手ほどき頂けてしまうという贅沢なお稽古シリーズ。
「和文化各界での最高峰を師として招く」それが和樂文化塾。
小学館の雑誌『和樂』と和塾、共催の新講座です。
※講座A、講座Bは、この度の震災による余震の恐れや交通網の不全を鑑み、延期とさせていただくこととなりました。延期後の新しい日程が決まりましたら、当HPにてご案内させていただきます。既に、お申込をいただいている方には、直接ご連絡させていただきます。
※講座Aにおきましては、延期日程が決まりました。下記ご案内を参照ください。
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■講座【A-1】【A-2】季節を愛でる(受付終了)
日時:A-1=6月25日(土)・A-2=6月26日(日)
会場:京都「瓢亭」広間(京都市左京区南禅寺早川町35)
講師:京都瓢亭十四代目主人・高橋英一
募集定員:各日20名
参加費:45000円
内容:400年の歴史を誇る「瓢亭」主人に学ぶ『日本料理の神髄』。実習後はご主人を囲んでの会食になります。瓢亭の広間での実食付きです。
■講座【B】花をいける(開催延期)
日時:3月26日(土)
会場:東京「ロンドンギャラリー白金」
講師:川瀬敏郎
募集定員:20名
参加費:25000円
■講座【C】魯山人に触れる(受付終了)
日時:4月2日(土)
会場:東京紀尾井町「福田家」(千代田区紀尾井町6-12)
講師:福田家主人・福田彰
募集定員:30名
参加費:45000円
内容:魯山人との縁深い料亭で、魯山人の器で食事をいただきながら、魯山人との親交もあったご主人のお話を聞きます。福田家の昼懐石付きです。
■講座【D】きもので遊ぶ(受付終了)
日時:4月9日(土)14時〜16時
会場:東京uraku青山(東京都 港区北青山2丁目7番13号)
講師:志ま亀主人・武内美都
募集定員:50名
参加費:8000円
内容:創業二百年を数える京友禅の老舗・志ま亀。七代目女主人による和装の講座です。ひとクラス上の和の着こなしを武内美都さんが伝授します。
■講座【E】日本舞踊を舞う(受付終了)
日時:全3回 4月16日(土)13時〜16時、4月23日(土)24日(日)14時〜17時
会場:東京 国立劇場(東京都千代田区隼町4-1)
講師:八世 藤間勘十郎
募集定員:20名
参加費:45000円
内容:藤間勘十郎氏による「日舞のお稽古」全3回。初心者の方を対象に、基礎から始め、最後には小曲をひとつ踊れるところまで宗家が直接指導します。
※ 着物もしくは浴衣、白足袋をご着用の上、舞扇子2本と手ぬぐいをご持参頂いてのご参加となります。
■講座【F】漆を学ぶ(受付終了)
日時:5月15日(日)12時〜16時
会場:新ばし金田中(東京都中央区銀座7-18-17)
講師:漆芸蒔絵 人間国宝 室瀬和美
募集定員:20名
参加費:28000円
内容:蒔絵の人間国宝・室瀬和美さんによる漆工芸の講座です。「日本の美・漆の文化」をテーマに漆工を体験。室瀬さんの作品の販売会も実施の予定です。
■講座【G】香を聞く(受付終了)
日時:5月22日(日)1席目 11時〜13時、2席目 14時〜16時
会場:畠山記念館 明月軒(東京都港区白金台2-20-12)
講師:香道御家流宗家 三條西堯水
募集定員:各席15名
参加費:25000円
内容:香道御家流二十三代宗家・三條西堯水自らが指導する香道の体験講座です。これから香道を始めたいと思われる方には、これ以上ない機会です。
■講座【H】書で言葉をつづる(受付終了)
日時:6月4日(土)14時〜17時
会場:東京uraku青山(東京都 港区北青山2丁目7番13号)
講師:書道家 紫舟
募集定員:40名
参加費:25000円
内容:大河ドラマ『龍馬伝』の題字を始め、ハリウッド映画、CM等にも作品を提供し、幅広く活躍をしている紫舟さん。「あたたかなぬくもり」や「切ない感情」など、いろいろな気持ちを書で表現することを学びながら、最後には大切な人への感謝の言葉を書き上げる。自分の想いや感情を書という手段でどう表現するか、奥深い書の世界を体験できます。
■講座【I】きものと日本の美、その真髄がわかる<全3回>(受付終了)
会場:銀座和光7階
講師:木村 孝
募集定員:30名
参加費:個別参加:各20,000円、三回通し参加:45,000円
第1回 今の自分に相応しい色を知る(受付終了)
日時:7月17日(日)14時〜16時
季節感、年齢、立場、品格や性格、心の表現手段でもある色。
色を正しく知っていないときものを理解することはできません。
和の色の雅やかな名前や由来も学び、現代の流行色を考える。
第2回 美術品としてのきものを文様から理解する(受付終了)
日時:9月18日(日)14時〜16時
宮崎友禅斎がきものに絵画的な文様を染めるようになったのは江戸時代。
衣服として美術工芸品を纏う伝統を持つのは日本だけ。
文様を知れば知る程、きものを着ることが楽しくなります。
第3回 きものに潜む誌と物語を読み解く(受付終了)
日時:11月13日(日)14時〜16時
きものの色や文様には、文学的な意味が込められていることがあります。
万葉集や源氏物語、伊勢物語といった古典が文様として隠されている。
そこにきものを着る人の教養が現れてきます。
■和樂一日きもの塾(受付終了)
日時:11月26日(土)12時半〜16時
会場:YUITO日本橋室町(東京都中央区日本橋室町2丁目4番3号)
講師:森田空美、吉川康雄、河合大介
募集定員:100名
参加費:10,000円(1〜4時間目まで全てご参加いただけます)
1時間目:森田空美の「着付けポイント指南」
すっきりとした着姿をつくるポイントをいくつか絞って、わかりやすく説明していただきます。
2時間目:吉川康雄の「晴れの日メーク」
吉川氏がプロデュースする「キッカ」のアイテムを使った「きもののための晴れの日メーク」を教えていただきます。
3時間目:西陣・河合美術織物に学ぶ「唐織の格調と美」
室町後期に明から伝わり京都・西陣で織られるようになった唐織。唐織に使われている文様が、正倉院の御物から受けた影響について学びます。
4時間目:森田空美流「知的コーディネート&小物術」
今、最もおすすめしたいコーディネートと、その極意を教えていただきます。
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参加申し込み方法:①住所・②氏名(フリガナ)・③年齢・④性別・⑤職業・⑥連絡可能な電話番号・⑦参加希望の講座をご明記して、FAX=03-3549-0108もしくはメール=entry@warakujuku.jpまでお送りください。フリーダイヤルでの申し込みも受け付けます。→フリーダイヤル=0120-22-4474(平日11時〜17時)
■申込者多数の場合は抽選になります。参加決定の方への通知をもって発表にかえさせていただきます。
■講座の内容や日程等は変更になる場合があります。予めご了承ください。
■参加費には、会場までの移動費用は含まれません。すべて現地集合になります。
※本企画は、『和樂文化塾』として実施する小学館「和樂」との共催企画です。NPO和塾は、その企画・運営・管理を実働させていただきます。詳細は、小学館「和樂」をご覧ください。
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[公開課外鑑賞会]鳥越文蔵と楽しむ文楽鑑賞会のお知らせ。
http://wajuku.exblog.jp/14638531/
2011-04-20T11:58:00+09:00
2011-04-20T23:53:59+09:00
2011-04-20T11:58:31+09:00
wajuku-sewanin
観劇・鑑賞会
5月7日と21日の第一部の鑑賞です。
7日は、日本近世演劇研究の第一人者である鳥越文蔵先生にもご同席いただけます。
日本最高の演劇研究家と楽しむ文楽。贅沢な鑑賞会です。
21日は、観劇前に人形遣い吉田文司さんによるバックステージツアーを行います。
塾生ではない、一般の方も参加できますので、ご希望の方はご応募ください。
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公開課外講座「和塾文楽鑑賞会」五月公演
日時:平成23年5月7日土曜日10時30分〜(11時00分開演)
平成23年5月21日土曜日10時30分〜(11時00分開演)
会場:半蔵門・国立劇場小劇場
演目:源平布引滝(げんぺいぬのひきのたき)
矢橋の段/竹生島遊覧の段/糸つむぎの段/瀬尾十郎詮議の段/実盛物語の段
傾城恋飛脚(けいせいこいびきゃく)
新口村の段
参加費:6500円 ※お食事会費は別途となります。
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※参加希望のの方は、本記事コメント欄、もしくは世話人宛メール[entry@wajuku.jp]にてお申し込みください。お申し込みの際は、参加希望日(7日or21日)と氏名・フリガナ・年齢・性別・連絡のつく電話番号・メールアドレスをご記入ください。
※席に限りがあります。満席になり次第締め切らせていただきますので、予めご了解ください。
■一般お問い合わせ先:NPO法人和塾 mail / entry@wajuku.jp TEL / 03-3549-0109
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地唄舞—美しくなる日本の舞— 葛タカ女先生 第二十回くのや和塾
http://wajuku.exblog.jp/14531827/
2011-04-01T18:25:00+09:00
2011-04-01T19:41:38+09:00
2011-04-01T18:25:08+09:00
wajuku-sewanin
お稽古
場所:銀座 くのや
Text by nn
まだまだ寒さの残る3月。女性クラスのお稽古、今回は地唄舞。銀座くのやの一角で、先生による叱咤激励の中、体の芯から暖まる熱気のこもったお稽古が行われました。
講師は、葛流(かつらりゅう)家元の葛タカ女先生。日本舞踊 藤間流の名取から、地唄舞 神崎流へ、そして約10年前に自ら新しい流儀 葛流を興された方です。
葛タカ女先生
先生は、楚々とした立ち振る舞いの中に、どっしりとした芯を感じさせ、さらに心地の良いカラッとした熱さも併せ持つ素敵な女性です。そんな先生を慕っている生徒の方々も非常に多いかと思います。今回は、有り難くも和塾の講師としてお稽古を。先生がもっている、強さ、美しさ、艶っぽさは何処から来ているのか。それを知ることができたお稽古でした。
男女問わず、美しい女性を目指す方。まずは地唄舞とはどのようなものなのかを知る必要があります。それを理解しなければ、舞のお稽古もただの運動になってしまいます。以下、地唄舞の説明をお読みください。
地唄舞とは何か。「江戸の歌舞伎舞踊と対照的な技法を持つ京阪の座敷舞のことで、大阪で歌い続けられた地唄で舞うことから地唄舞と言われる」とのこと。では、その舞のどこが対照的なのか。それぞれを比較しながらご説明頂きました。
先生曰く、もともと舞踊は縦の動き、舞は横の動きが主となるという違いがあります。どういうことか。舞踊は、開放的かつ派手で大きな動きをします。わかりやすく見栄えの良い動きです。一方で舞は、内面的で静的、制限された最小限の動きの中で、主に心象風景を表現します。地唄舞は畳一畳で舞うことができると言われるのもそれが所以です。
外的な表現を主とする舞踊は、役になりきる、化けることが大切になってきます。一方で内的な心象を表現する舞は、役を自分に引き付けて表現していく。同じ演目でもそのスタイルは大きく異なります。先生が、日本舞踊の世界から、地唄舞の世界へこられたのも、その違いが理由とのこと。心象を表すのは自分、それだけに形だけではなく自分自身の内面も錬磨することが大切になってくるのが地唄舞なのです。
地唄舞の種類はいくつかありますが、もっとも地唄舞らしいといわれるのが「艶物」。これは、一人の女性の悲しみを演じる女舞です。男に捨てられた女の悲しみを内に秘めた舞。男性に大人気とのこと。今も昔も、日本人男性が感じる、女性の魅力は変わらないのかもしれません。悲しみを、すぐに外に出すのではなく、一旦ぐっと溜め込む。それを指先、視線などのわずかな所作で表現する。その細やかな神経の使い方は、先生曰く、映画でいうと全部がアップで撮られているようなもの。
それが地唄舞です。
心象を内に溜め込み小さい所作で表現する。全てがアップで撮影されているぐらいの感覚で舞うこと。心の鍛錬は一旦おいておき、舞の形だけに意識を集中したとしても、とても大変です。指や腕の角度、視線や表情、体の向きや足の位置、重心や移動のスピード、扇子の持ちかたなどなど、全てにおいて気を抜けません。小さなところに全てが表現されます。その細かい動きが自然な所作になるころには、美しい体になっていることは間違いないと思います。
先生のお手本
真っ直ぐのばした状態
少し曲げた状態
ちょっとわかりにくいですね。美しいのは、下の方です。少し関節を喧嘩させた状態が美しいとのこと。関節も、耐え忍んでいるぐらいが美しいのです。
では、実際にお稽古です。
姿勢は、丹田を引き、おへそを前へ持ってきます。ぐっと腰を入れ、お尻をしめ、胸を張る。それが基本形です。
バレリーナのような立ち方
立ち姿、美しいです。
細かいところにも意識を配り、内側に、力を溜めて行きます。引力に逆らっているぐらいに首を伸ばす方がほそく、美しくみえるとのこと。引力とも喧嘩です。
かといって、力みすぎず、抜きすぎず、微妙なところで拮抗させる。
始めは力を入れ練習し、その後抜いていくという順番で行うのがいいみたいです。
歩くときは、前に進みながらもやや後ろに重心をもってくる。すぐに足を動かすのではなく、ゆっくりと内に力を拮抗させながら、ほんの少し動かす。背筋や後ろの筋肉も意識する。手をあげたら、ちょっと下げた状態にする。大変です。僅かな動きの中に、ものすごい多くの筋肉や関節の葛藤が繰り広げられています。今後、地唄舞を拝見するときには、そこに想いを馳せずにいられません。内に忍ぶ地唄舞。耐え忍ぶのは悲しみだけではありません。一つ一つの拮抗が美しい所作を形づくっています。
これを続けていくと、姿勢は良くなり、ヒップアップにもなる、表情も引き締まり、気持ちもすっきりします。引力にもまけません。たるんだ体とは縁遠くなりそうです。
体が美しくなった後は、心の鍛錬です。今回のお稽古では、心に触れることはありませんでしたが、葛藤や拮抗が美しい心も養うのでしょうか。耐え忍ぶ女性が美しいのは、内面の強さを感じるからだと思います。それは男性も然り。地唄舞は、そんな強く美しい人になるためのよい教材となると思います。
最後は、タカ女先生による「黒髪」。
独り寝の女性の悲しく、切ない思いが、髪をとく仕草に表現される、なんとも艶やかな舞でした。先生の舞を少しだけ。
葛流は昨年で10周年。5月には、国立の大劇場にて「葛流創流十周年舞の会」を華々しくご開催されました。自ら興された流儀で10年。日本伝統文化の衰退が顕著にある昨今、誠に素晴らしいことと思います。今後益々のご隆盛をお祈り申し上げております。
ちなみに、地唄舞は、耐え忍ぶ女性を扱った色っぽい情緒のある物だけではありません。軽妙でおどけた「作物」、能からきた拡張高い「能採り物」、歌舞伎舞踊を取り入れた「芝居物」などもあります。最も地唄舞らしいとされるのが「艶物」です。上記の「舞の会」では、若い男性達が「作物」を舞ったとのこと。地唄舞の世界に興味が出た方は、是非先生の元へ伺ってみてください。
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ボランティアスタッフを募集します。
http://wajuku.exblog.jp/14400889/
2011-03-09T21:41:00+09:00
2011-05-31T18:24:33+09:00
2011-03-09T21:42:00+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
多様な日本文化の学びの場として、本物の和の文化・芸術に触れ・学ぶことのできる機会を幅広く提供しています。活動の多くは、ボランティアの方々のご協力をもとに成り立っています。日本の文化や芸術に興味関心のある方、和塾の主旨に賛同される方のご参加をお待ちしております。
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応募職種
事務局ボランティア
週に1-2日、3-4時間ほど事務局へお越しいただき、
事務作業のお手伝いをお願いします。
内容:郵便物封入、宛名書き等の発送作業
データ入力
資料の整理
イベント準備のための資料、ツール作成
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応募資格
性別:どちらでも可
年齢:年齢問わず来局が可能な方
条件:WORD、EXCEL、メールソフトの操作ができる方
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履歴書を提出いただきます。メールでの応募も可能です。
履歴書を郵送されるの場合は、下記和塾事務局までお送りください。
各担当者と書類選考の上、選考通過の場合のみ、面接のご連絡を差し上げます。
※応募書類は返却いたしません。
勤務先
和塾事務局
東京都中央区銀座4-13-8 ソフィアスクエア銀座805
お問合せ先
特定非営利活動法人和塾
TEL: 03-3549-0109 / FAX: 03-3549-0108
MAIL: entry@wajuku.jp
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人間国宝 室瀬和美に「漆をまなぶ」【新講座のお知らせ】
http://wajuku.exblog.jp/14395062/
2011-03-08T23:20:00+09:00
2011-03-09T00:47:03+09:00
2011-03-08T23:20:50+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
小学館の雑誌『和樂』と和塾、共催の新講座です。
一流の職人やアーティストの技を実際に見て、直にお話を聞き、
直接手ほどき頂けてしまうという贅沢なお稽古シリーズ。
「和文化各界での最高峰を師として招く」それが和樂文化塾です。
今回のご紹介は、
人間国宝 室瀬和美先生による「漆と蒔絵」のお講座。
室瀬和美先生
お椀や酒器など、原型となる素材の表面に漆で文様を描き、それが乾く前に、金や銀の粉を蒔き、さらに磨き上げて、美しくしつらえるもの。それが漆工芸の蒔絵です。
かつて、日本が鎖国に入る前、この地を訪れた多くの宣教師たちは、この独自の技術に驚嘆し、始めは祭儀具としてヨーロッパに紹介しました。
艶やかな漆黒の中に繊細で華麗な金銀の文様が彩られたこの蒔絵。
彼らにとって新鮮で独特であったその美しさ。魅了された人々は、これを「japan」と呼び、非常な高値で取引されていました。
蒔絵螺硯箱「椿」
室瀬先生は、その日本の美を受け継ぐ数少ない工芸家です。
多くの創作だけではなく、歴史ある文化財の修繕も行い、日本の美の保存、
また漆=日本の美を伝えるべく、海外での出展も積極的に行っています。
2008年には、漆芸蒔絵の人間国宝に認定され、紫綬褒章を受賞されました。
蒔絵による最高峰とは、すなわち日本の美の最高峰でもあります。
そしてそれはまた、世界の最高峰でもある。
その室瀬和美先生に日本の美を学ぶことができる。
それが今回のお講座です。
ちなみに、先生は笑顔が素敵で、とても柔らかい雰囲気をもった方です。
当日は、先生の講話と新ばし 金田中でのお食事、先生の作品の鑑賞。
さらには、室瀬先生とともに、実際に漆で描き、そのうえに金粉を蒔き小さな作品をつくるという体験もいたします。
できた作品は、先生のもとで乾かされ、研磨されて、20日〜30日程で、ご参加頂いた皆様へ差し上げます。
蒔絵螺鈿棚「秋桜」
室瀬先生の作品も数点、お持ち頂きます。
販売可能なものも数点お持ち頂く予定です。
今回もなんとも贅沢なお講座です。
またとない体験、是非お越し下さい。
蒔絵螺鈿八稜箱「彩光」
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和樂文化塾 人間国宝 室瀬和美「漆をまなぶ」
日時:平成二十三年五月十五日(日) 十二時〜十五時半
場所:新ばし 金田中
講師:漆芸蒔絵 重要無形文化財 室瀬和美
参加費:28,000円(金田中のお食事付)
★受講希望の方は、以下まで事前にご連絡ください。
→フリーダイヤル:0120-22-4474(平日11:00〜17:00)
→メール:entry@warakujuku.jp
→FAX:03-3549-0108
※メール、FAXの場合は、お名前とご住所、電話番号、年齢、ご職業をご明記ください。
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室瀬和美(むろせかずみ)
漆芸蒔絵 重要無形文化財保持者
1950年 東京生まれ
1970年 東京芸術大学入学
1973年 安宅賞受賞
1975年第22回日本伝統工芸展初入選(以後20回)
1976年 東京芸術大学大学院終了
1980年 東京国立博物館にて漆工品保存修復に従事(~1988)
1991年目白漆芸文化財研究所開設
1993年 欧米各国で在外漆工品保存実態調査を行う
1996年 ドレスデン民俗博物館において漆工品修復を行う
1999年 漆芸修復国際会議にて講演(ミュンヘン)
2000年 金刀比羅宮本殿拝殿格天井「桜樹木地蒔絵」制作(-2004年)
蒔絵螺鈿八稜箱「彩光」が東京都知事賞受賞
2002年 蒔絵螺鈿八稜箱「彩華」が第49回日本伝統工芸展にて奨励賞受賞
2007年 日本芸術振興賞受賞
2008年 重要無形文化財「蒔絵」保持者(人間国宝)認定
現在、
社団法人 日本工芸会理事
日本文化財漆協会常任理事
漆工史学会理事
日本伝統工芸展 特待鑑査委員 日本伝統工芸展、日本伝統漆芸展、伝統工芸新作展の鑑査委員歴任
永青文庫評議委員
著書
「漆の文化―受け継がれる日本の美」(角川選書)
関連HP
Urushi Kazumi Murose
※ご応募の締切は3月25日(金)
※参加希望者多数の場合、抽選となります。当選は通知の発送をもって代えさせていただきます。
漆の文化―受け継がれる日本の美 (角川選書)室瀬 和美 / 角川書店
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瓢亭主人 高橋英一による「お花見弁当をつくる」【新講座のお知らせ】
http://wajuku.exblog.jp/14198654/
2011-02-12T14:58:00+09:00
2011-02-13T12:38:03+09:00
2011-02-12T14:58:51+09:00
wajuku-sewanin
お知らせ【和塾】
来月の19日から。小学館『和樂』と和塾の共催です。
一流の職人やアーティストの技を実際に見て、直にお話を聞き、
直接手ほどき頂けてしまうという贅沢なお稽古シリーズです。
「和文化各界での最高峰を師として招く」それが文化塾です。
その第一回目は、
京都瓢亭主人 高橋英一「お花見弁当をつくる」
今回は、そのご紹介を。
谷崎潤一郎の『細雪』。
上流大阪人の生活を描いたこの作品の中に、主人公の四姉妹が、瓢亭で昼食をとってから、平安神宮の紅枝垂桜を見に行くというシーンが出てきます。
お花見の季節。京都の春について、瓢亭主人の高橋英一氏はこう述べます。
「京都の春は、『都踊り』を始め、各花街の踊りで華やかに幕を開けます。四季の行楽の中でも、お花見の気分は他の季節にない開放的な格別の楽しさがある。」
そのような独特の明るく華やかな気分のなか、瓢亭で春の食を楽しんだ後、絢爛豪華な花見を楽しむというのが、なんともよろしい。それが上流の楽しみ方でした。
春らしい器、食材、盛りつけ。桜の咲き具合や花見の時間帯。夜桜なのか、お昼の茶会なのか。花見の季節だからこそできる華やかな組み合わせ、など。お花見弁当ひとつから、作り手の様々な思慮が見え隠れする。
「イメージして準備した料理が器に気持ちよく納まり、全部が一体となって華やいでくると嬉しくて、ああこれが料理をする醍醐味やなと感じます」と高橋氏は言います。
約400年にもわたり、四季や気分を感じながら様々な工夫を積み重ねてきた日本屈指の料亭「瓢亭」。そのお花見弁当を学ぶことは、そのままその背後にある日本料理が持つ楽しさと奥深さ、おもてなしの心を知ることに繋がる。400年も生きている人はいません。ただ、その間に積み重なったエッセンスを学ぶことはできます。レシピの、その奥にある和文化の真髄に触れてみませんか。今回は、そんな贅沢な講座です。
平安神宮の紅枝垂桜
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和樂文化塾 瓢亭主人 高橋英一「お花見弁当をつくる」
日時:平成二十三年三月十九日(土)/ 二十日(日) 十一時〜十四時
場所:京都 南禅寺畔 瓢亭
講師:瓢亭十四代当主 高橋英一
参加費:45,000円(瓢亭での実食付)
★受講希望の方は、以下まで事前にご連絡ください。
→フリーダイヤル:0120-22-4474(平日11:00〜17:00)
→メール:entry@warakujuku.jp
→FAX:03-3549-0108
※メール、FAXの場合は、お名前とご住所、電話番号、年齢、ご職業をご明記ください。
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高橋英一(たかはしえいいち)
南禅寺・瓢亭十四代当主
1939年京都生まれ。
同志社大学卒業。
1964年瓢亭勤務。
1967年瓢亭 十四代を継承。
1992年京都府優秀技能者表彰受賞。
2006年京都府文化賞功労賞受賞
。
2007年厚生労働大臣卓越技能者表彰受賞。
2009年第六回裏千家茶道文化振興賞受賞。
2010年ミシュランガイド京都・大阪2010にて三ツ星を獲得。
京都料理組合組合長、日本料理アカデミー会長。
主な著書
「懐石入門」(柴田書店)
「瓢亭−四季の料理と器」(柴田書店)
「京都・瓢亭−懐石の器とこころ」(世界文化社)
「瓢亭の点心入門」(淡交社)
「旬の器−もてなしの美学」(淡交社)
関連HP
京都南禅寺畔-瓢亭
※ご応募の締切は2月28日(月)
※参加希望者多数の場合、抽選となります。当選は通知の発送をもって代えさせていただきます。]]>
-お水取り本当の魅力〜西山厚先生【第八十三回お稽古】
http://wajuku.exblog.jp/14217337/
2011-02-08T19:00:00+09:00
2011-03-29T17:38:44+09:00
2011-02-14T15:37:59+09:00
wajuku-sewanin
お稽古
場所:白金アートコンプレックス ロンドンギャラリー
Text by kuroinu
春三月。テレビのニュースに必ず登場するのが「東大寺二月堂のお水取り」です。お寺の欄干を何本もの松明(たいまつ)が火の粉を飛ばしながら動く、あれ。見たことありますね。毎年必ず放映中。・・・でも、アレはいったい何なのか。多忙なる現代人のみなさまには、気にする気配がありません。
第八十三回めの和塾は、それをちょっと気にしてみました。あの「火の粉がワラワラ」な行事=東大寺二月堂のお水取りを学びます。
お越しいただいたのは、奈良国立博物館学芸部長の西山厚先生。久しぶりの公開講座。会場のロンドンギャラリー白金が満席になる素晴らしいお稽古会でしたよ。
西山厚生生
3月12日、数万人の人々が見上げる中、全部で11本の籠松明が二月堂の縁を走ります。この光景こそ「東大寺お水取り」のメインイベント、だと思っている人、多いはずです。ところが、この松明はお水取りの本質ではない。人々は用済みの松明に歓声を上げているというのです。
そりゃいったい、ど〜ゆ〜ことなんでしょう?
東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)、通称「お水取り」とは、どんな行事なのでしょう。西山先生によるとそれは、「十一面観音にお詫びをする行事」ということなのです。昔の人は、世の災いというものは人間が悪いことをするから起こるのだと考えた。だから、観音さまにそれを謝る。謝って、「天下安穏・五穀成熟・万民豊楽」を祈願するのです。仏教用語で罪を悔い懺悔することを悔過(けか)と言います。だから、この法会(ほうえ=仏教儀式)の根幹は「十一面悔過法要」。この根幹にその他さまざまな行法が付加され、それらすべてをまとめて修二会(通称「お水取り」)と呼ぶのです。では、あの「火の粉ワラワラ」な松明はなんなのか。
順を追ってもう少し詳しくご説明しましょう。
二月堂の修二会が始まったのは、今を去ることおよそ1250年の天平勝宝四年(752年)。東大寺草創期の学僧・実忠が、弥勒菩薩の住む兜率天(とそつてん)で行われていた十一面観音悔過を人の世に写して始めたのが修二会の起こりであるとの伝説があります。東大寺要録にも「天平勝宝四年壬辰、和尚初めて十一面悔過を行ひ、大同四年に至る、合わせて七十年、毎年二月朔日(最初の日)より始めて、二七日夜、毎日六時の行法を修す」と記されている。不退の行法と言われる修二会は、なんとそれ以来今まで一度も中断されることなくつづいているのです。今年で1260回、一度も途絶えたことがない。そんな行事は、世界的にも珍しい。おそらくこの東大寺二月堂修二会が唯一の存在であろう、と西山先生はおっしゃいます。
さてこの修二会、現在は3月の1日から14日まで二週間にわたって執り行われている。法会を執行するのは連行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる選抜された寺僧。別火と呼ばれる、連行衆の潔斎と準備のための前行を含めると三週間以上におよぶ長期間の法会なのです。本業では、14日の間、一日を日中・日没・初夜・半夜・後夜・晨朝の六時に区分け、ほぼ同様の次第・内容の法会を繰り返します。これを六時作法と言う。修二会はこの六時作法にさまざまな附帯作法が付加されて執り行われます。
六時の作法は、前半の上七日は、秘仏である大観音への祈願、後半の下七日は、これもまた秘仏である小観音さんへの祈願となる。二月堂内陣の須弥壇を囲むように座した連行衆は、観音さまのお名前を連呼して褒め称えるのだそうです。「南無観自在菩薩、南無観自在菩薩・・・」早口となったそれはやがて「南無観自在・南無観自在・・」となり、終いには「南無観・南無観・・」となる。これが一日に六度、真夜中にも行われる。連行衆が夜の作法に向かうとき、二月堂へと上る石段はもちろん真っ暗なわけで、そのままでは危ないですから、灯りをともす。これが例の松明なんですね。連行衆が内陣に入れば松明は用済みとなり、ぐるりと縁(大床)を回り堂下へ運ばれる。行事を外から眺めると、このとき縁の外に突き出されて火の粉を散らす松明が見えるというわけ。見物の人々は用済みの松明に歓声を上げている、というのはそういうことなのであります。
講座では、附帯作法についてもいくつかお話しを聞くことができました。食作法、水取り、達陀(だったん)、走り、五体投地、数取懺悔・・。
この中で、若狭遠敷明神(わかさおにゅうみょうじん)が献じた井戸・若狭井から水を汲む行事が水取りと言われ、修二会の通称「お水取り」の由来になっている。水取りは13日の午前1時過ぎに執り行われるのですが、井戸自体が閼伽井屋という建物の中にあり、当役の者以外は誰も入ることもうかがうこともできません。現在でもまったくの秘法。閼伽井屋から二月堂内陣に運ばれた水は、参詣者にも分け与えられるということです。
附帯作法の中でおもしろかったのが「走り」といわれる行事です。実忠和尚が兜率天での法会を人間界に持ち込もうとしたとき、天上界の一昼夜は人間界では400年に当たるのだと言われ、少しでもその行に近づくために、できる限り早く作法を行うことにした。なので「走り」の作法は、平安時代以来現在まで、全力疾走で執り行われている。お堂の中を全力で走る寺僧の姿を思い浮かべると、なんだか妙ちきりんな、いささか滑稽な印象ですね。そもそも、寺の中を走っていたら、怒られるんじゃないかと思うのですが、天上界の一昼夜は人間界の400年ですから、それはもう必死で走るしかないのであります。
治承4年(1181)12月28日、平重衡による南都焼き討ち。東大寺の大仏殿が炎上し大仏も焼失した。東大寺はすべての法会を中止したのだが、修二会・お水取りだけは行われています。嘉禎2年(1236)興福寺と東大寺は、すべての仏事と神事を取りやめた。が、お水取りだけは実行。寛文7年(1667)、二月堂そのものが全焼した時も、修二会は執り行われた。先の大戦中(昭和19年~20年)も、東大寺のお水取りは一度も中断しなかった。
そして今年、1260回目のお水取りは、いつものように3月1日に始まります。1000年を越えて、一度も途絶えることなくつづく、世界で日本にしかない行事「お水取り」。軽やかな語りの中に、深く長い思いの込められた西山先生のお話を聞いて、誰もが一度奈良へと足を運びたくなる、二月の和塾のお稽古でした。
西山先生、どうもありがとうございました。次回はご専門の「仏教」のお話しを、再びの公開講座で実施したいと思っています。仏教美術が専門の和塾理事が総力を挙げてお迎えする予定ですので。
仏教発見! (講談社現代新書)西山 厚 / 講談社
東大寺 (別冊太陽 日本のこころ)平凡社
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